イケメンヤンキーに愛されて
龍樹君と一成君が立ち去ってから、翔君はもう一度あたしに向き直った。
「で、愛結。なんだ?」
「う、ううん。なんでも、ない」
とっさに何でもないと答えてしまった。
やっぱり言えないよ・・・。
「ふーん、ならいいわ」
そういって、翔君は自分の洗濯物を取りに行ってしまった。
「はぁ・・・・・・」
自然と自分の口から出てきたため息に、自分でもイラついてしまう。
なんでこんな簡単なことが言えないんだろう。
“帰る”この一言のせいで・・・。
うじうじ悩んでいても仕方ないと考えを切り替え、次のチャンスを狙うべく、洗濯ものをとって、娯楽室に向かった。