イケメンヤンキーに愛されて
今、今しかない、と気合を入れなおして翔君に話しかけた。
「あの、翔君?」
「あぁ」
翔君はテレビを見ていた顔を、あたしの方に向けた。
目が合って、少しドキドキしてしまった。
というか、ドキドキしている場合ではないのだが・・・。
「あの、実は明日、」
「あ、ごめん。今から、俺面接だわ。30分もせず帰ってくるから、あとで話して」
翔君は早口でこういうと、颯爽と部屋を出ていった。
「もぉ・・・。うそでしょ・・・」
口から自然と漏れてしまう、不満の声。
だって、毎回あたしが話そうとするたびにいなくなるとか、ありえない。
わざとじゃないのかもしれないけど。