イケメンヤンキーに愛されて
「ごめんごめーん、あたしが悪かった!ね?」
このままでは、また翔君がキレだすのは目に見えていた。
だから、わざとらしいほど謝った。
「くそっ」
翔君は自分がバカにされているのに気付き、小さく毒づいた。
それを見たあたしも、くすっと笑ってしまった。
翔君は口をムッとさせると、あたしに背を向けた。
「俺、戻るわ」
「あ、うん」
翔君はだるそうにゆっくり歩いて行った。
そのときにあたしは気づいてしまった。
「げっ!!」
翔君に、また言うの忘れてた・・・。
とっさに追いかけようと思ったが、もう翔君の後ろ姿は見えなくなっていた。
「はぁ~あ」
ため息をつきながら、あたしも娯楽室に戻った。