イケメンヤンキーに愛されて
歯磨きをして、娯楽室に戻ると翔君と龍樹君はいつも通りテレビでサッカーの試合を見ていた。
「おっ!いけいけ!」
「あーーっ!くそっ!」
白熱した試合に2人は夢中だ。
「なんだったんだろーね?」
「?」
姫ちゃんと首を傾げながら、顔を見合わせた。
この超可愛い姫ちゃんとも、明日でお別れなんだな、と思うと寂しくなった。
ぎゅっと姫ちゃんに抱き付くと、一瞬びくっとしたが姫ちゃんも抱き付いてくれた。
「愛結ちゃん、どーしたの?」
「ううん。なんでもない」
姫ちゃんが心配そうな目で見てきて、少し涙が見られそうになり、顔を背けた。
「ご、ごめん。ちょっと目が痛くて・・・」
いまどきこんな下手なウソつく人ないんていないだろうし、姫ちゃんは気づいていると思う。
姫ちゃんは気を使って、
「姫、一成君に本読んでもらうー」
と一成君のところに走って行った。