イケメンヤンキーに愛されて
姫ちゃんに心の中で感謝しながら、あたしは自分の部屋に戻った。
ぽた、ぽた――
いつのまにか涙が畳の上に落ちていっていた。
どんどん涙があふれてくる。
そういえば、ここに来て泣くのは二回目になるんだっけ。
そうそう、翔君の腕の中で泣いたんだ・・・。
なんて思い出せば思い出すほど、涙の量が増えていった。
それから、どれほど時間がたったかわからないほど、泣いた。
部屋の外に泣き声が漏れて誰かが来たらまずいから、声をおさえて泣いた。
ひとしきり泣いて、涙も止まり、落ち着いてきたところで、顔を洗いに行った。
ばしゃばしゃっ、顔に水をかけると、すっきりした。
「よしっ」
自分に気合をいれて、顔をたたいた。
翔君には、明日言おう。
今日は、忘れてクリスマスだし楽しもう!と決めた。
その後、何もなかったかのように娯楽室に戻った。
すると、一番に話しかけてきたのは意外にも翔君だった。