イケメンヤンキーに愛されて

2回戦、神経衰弱。

「あったりぃ~!」
「俺、3ペアそろった!」

スタートして5分もたたないうちに、皆はどんどんペアをそろえていっている。
そんな中、あたしはまだ1つもそろえていなかった。

そうこうしているうちに、残るは10枚しかなかった。
そのときあたしの番が回ってきた。

もちろんどこが何だとは全く覚えているわけもなく、近くにあるカードを2つ順にめくった。

「そろってる!!!!!」

やっと1ペアそろった喜びから思わず叫んでしまった。
直後、恥ずかしくなりもう1ペアめくった。
しかし、2回も奇跡は起こらなかった。

それから順々に皆めくっていき、もう一度あたしに、まわってくるまでもなくカードはなくなった。

「はい、皆なんペアそろったー?」

そう聞かれ、自分の手元を見て絶句した。

「1ペア・・・」
「俺、14-!
「くそ、俺13」

ぼろ負けだった。

2回戦、最下位、愛結。
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