イケメンヤンキーに愛されて
そして、手を突っ込んで取り出したものは、猫耳のカチューシャだった。
「はぁ?俺らこんなん着けるわけ?」
「あはっ、ウケる。翔、うさ耳着ければ?」
瞬時に眉間にしわをよせ不機嫌になった翔君。
それを見て、調子に乗る一成君。
「あっははっ!!」
笑いの限界だった。
最後に皆のコスプレ?見れるなら嬉しいな。
「愛結、笑うな」
翔君に軽く睨まれ、慌てて謝ると、翔君はしぶしぶうさ耳を着けてくれた。
あたしは今日が最後だってことを感じ取って、最後の思い出にしてくれたみたいだった。
そして、龍樹君たちもカチューシャに手を伸ばし始めたので、あたしもうさ耳を手に取ろうとすると、東さんに止められた。
「愛結ちゃんは、こっち!」
東さんが差し出したのは、おもちゃのティアラだった。
「愛結ちゃんは、今日の主役なんだから」
東さんは意味不明なことを言うと、皆を静かにさせ話し始めた。