イケメンヤンキーに愛されて
「今までありがとう、愛結ちゃん」
荷物をまとめ終り、部屋を出たところに真君がいて声をかけてくれた。
あたしも真君にお礼を言い、別れの挨拶をしたところで、東さんが皆に声をかけた。
「愛結ちゃん、そろそろ帰るから!玄関までお見送りしてくれる~??」
亜弓ちゃんのときと全く同じ。
ここを出たら、あたしは皆の記憶の中に残るのかな?
何年か経って、ここでのことを思い出す日が来るの?
その思い出の中に――
あたしはいる――?
ううん。
悩んでも仕方ない。
頭を軽くふって、現実に戻った。
あたしの荷物を持ってくれている東さんに続いて、玄関へと向かった。
あたしの後ろには、お見送りしてくれる皆。
いよいよ、最後だ。