イケメンヤンキーに愛されて
それに対し、あたしはマイペースに自分の教室へ向かった。
――ガラガラッ
教室のドアを開けると、何かが飛びついてきた。
「愛結ぅぅ~~~~!!!!!」
「あっ、ちょ!」
よろけてドアにぶつかったが、なんとか受け止めた。
飛びついてきた『それ』は、萌花だった。
予想通り大泣きしてはいるが、まさか飛びついてくるとは思わなかったな・・・。
「はいはい、萌花~。一回離れようね?」
くっついてくる萌花をやや無理矢理引き離しながら、自分の机に向かった。
机にバックを置き、机の中をのぞくと、プリントが大量に入っていた。
「はぁ~」
テストやら、学級通信やら。
整理すると考えるだけで、気が重くなる・・・。
プリントをファイルに突っ込んでいると、隣の席のエリちゃんが声をかけてきた。
「愛結ちゃん、愛結ちゃん。入院してたんだってね。大丈夫??」
「あ、うん。大丈夫だよ~」
入院って、きっと表面上のことを気にして校長がウソつかせたんだな。
まぁ、あたしも助かるけど。
施設なんて聞いたら、周りの見る目も変わるだろう。
それだけは、避けたい。