イケメンヤンキーに愛されて
「えっとねー、6組の冬華(トウカ)ちゃんと希美(ノゾミ)ちゃん。今日は、この2人のクラスでお弁当食べま~す。ということで、行こうか!」
萌花がその子たちの紹介をすると、2人とも笑って軽く頭を下げた。
天然パーマの柔らかそうな髪の子が、冬華ちゃん。
そして、ショートボブの少し性格が強そうな子が、希美ちゃん。
あたしが名前と顔を覚えている間にも、萌花はどんどん6組に向かってあたしを引っ張って行った。
あたしのクラスは2組だから、6組の前なんて移動教室で通るくらい。ましてや、教室の中に入るだなんて初めての経験だった。
一応、他のクラスで弁当を食べてもいいことになってはいるが、浮くのが嫌で実際に他のクラスに行く子は滅多にいない。
そんな中、6組に入るのは正直視線が痛かった。
萌花は、全く気にしていないようだったけれど。
「席、そこだよ」
冬華ちゃんが、あたしに席を教えてくれた。
教室の窓側に4人分の机がくっつくけてあった。
あたしは、萌花の横で冬華ちゃんの前に座った。
4人とも座ったときに、萌花が本題に入った。