イケメンヤンキーに愛されて
「飛翔のメンバーっぽくない?」
「あぁ。名前に翔入ってるしね」
ひしょう?
聞きなれない言葉に首をひねっていると、萌花が教えてくれた。
「ほら、夜にここらへん通る暴走族とかのグループ。あっちこっちのグループを吸収して、どんどんデカくなっていってるの」
暴走族・・・。
あたしはどうやら他の人より寝るのが早いらしい。
だから、暴走族のバイクの音なんて聞いたこともなかった。
それよりも、翔の字が入っているからメンバーってどういうことだろう?
「あの、翔の字がどうしたの?」
あたしが控えめに発言すると、希美ちゃんが早口で答えた。
「知らない?飛翔の幹部は、侑飛(ユウト)と翔貴(ショウキ)、あと名前は知らないけどあと2人いるの。そして、幹部以外は“飛”と“翔”の漢字が入っている人しか入れないらしいよ。あ、もちろん吸収した人は別よ」
「そうそう。自分から入りたいと言う人は、名前に飛翔が入ってなきゃダメなの」
冬華ちゃんも続けて言った。
名前でそこまで左右するんだ・・・。
翔も、その飛翔のメンバーなのかな。
ちょっと心配になってきた。