君の声が聞きたくて
再会~新たな出会い~
「埼玉県から転校してきました。新井 紗夜香です。よろしくお願いします。」
10.18 私はこの学校に転校してきた。
そこで出会ったあの人。
その人こそ、私がこれから好きになる人。
でもそんな事はまだ何も知らなかった。
『あーだるい。この視線がだるい。転校生やけんってそんなにガン見するか?』
そんな事を考えていると、急に声をかけられた。
「紗夜香ちゃん‼︎ ウチ、学級委員の瀬尾優樹菜‼︎ 分からんことあったら何でも聞いてな‼︎」
『げっ、いきなり話しかけられると…』
私は極度の人見知りだ。
「あ、ありがとう…な、なかよくして…な…‼︎」
『言えたぁぁぁぁぁ!!!』
~休み時間~
『げげっ、なんやこれ…人の山やん…』
私の周りに人がずらずら集まって来た。
保育園も小学校も転校しているので、
こうなる事は大体予想していた。
だが、廊下まで人が溢れ返っている。
これが関西の中2か…
そこからは質問攻めだ。
「紗夜香ちゃんって言うん⁇ ウチ○○〜‼︎ よろしくな‼︎」
「ウチは4組の☆☆〜‼︎ 紗夜香どこから来たん⁇」
「紗夜香〜‼︎ ウチの事覚えとる〜⁇ 保育園一緒だったんじょ‼︎」
言い忘れていたが、私は小さい頃までこっちにいた。
両親の離婚により、埼玉に引っ越したのだ。
「う、うん‼︎ 覚えとるよ〜‼︎ 懐かしいなぁ‼︎」
本当は名前をうっすら覚えているだけで、顔などは全く分からなかった。
私が覚えていたのは、幼なじみの深瀬遥香だけだ。
『あー相変わらず可愛い♡ 』
そんな視線に気付いたのか
はるちゃんは私に手を振ってくれた。
再会できた…嬉しい…
~放課後✳︎帰宅~
「あー疲れた。色んな意味で疲れた。やっぱ関西の子はよう喋るなぁ…まぁ友達できて良かった。」
転校初日から不安と安心が積み重なる。
『明日から…大丈夫かなぁ…⁇』