三日恋〜晴と雪の恋物語〜
家族旅行
出逢った男の子
中学一年、夏。
沖縄に、
「来たぁぁぁぁぁ!」
「恥ずかしいから止めなさい」
と、お母さんに軽く頭を叩かれて、両腕を下ろす。
「だってだって、沖縄だよ!日本の一番南だよ!ねぇねぇお父さん、写真撮ろう!」
「ほら幸、少し落ち着け」
あたしは幸美だけど、幸って呼ばれてる。
何でかっていうと、知らな~い。
多分楽だから。
一文字短いし。
そんなあたしは、お父さん、お母さんと三人で、沖縄へ家族旅行に来た。
お母さんは、
「肌が焼けるから嫌なのに」
とか言ってるけど、あたしは嬉しい。
サッカーやってるから日焼けなんて元々だし、全然気にしな~い。
それに、お父さんが来たいって言ってたから、多分いいところなんだろうって思って賛成した。
「ほら、まずは宿に行っちゃおうか」
お父さんの言葉に、あたし達はじりじりと照りつける日差しの中を歩き始めた。