三日恋〜晴と雪の恋物語〜

ゆっくりと、扉が開く。


心臓が、止まったかと思った…。


ドアの隙間から覗くのは、髪の長い女の子だった。


顔は真っ白で、病気かと思う程白い。


唇の色も血色がない。


胸の位置くらいまである髪の毛は真っ黒で、短かったあの頃とはまるで違う。


ただ、ぱっちりとした目は、思い出と重なる。


「千葉…幸美さん?」


「はい…」


声も、一緒だ。


「あ…の…?大丈夫ですか?」


「え?」


「涙が…」
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