三日恋〜晴と雪の恋物語〜

気が付くと、俺は泣いていた。


「大丈夫!ごめん!急に!目にゴミが入っちゃったみたいで!」


慌てて制服の袖で拭う。


「あ、大丈夫です…。あの、何か用事でしたか?」


不思議そうな声がする。


そ、そうだ。


プリント。


「プリントを渡しに来たんだ!今日、欠席だったから、先生に頼まれて」


俺はプリントを差し出す。


「ありがとう」


受け取りながら彼女は礼を言った。


その時、初めて目が合った。
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