三日恋〜晴と雪の恋物語〜
俺はこれでもかってくらい、幸を抱き締めた。
幸も俺を抱き締める。
まるで、何かに縋るようだと思った。
何かに縋ってないと今にも壊れてしまいそうな、そんな気がした。
お父さんを亡くした事実と、幸は今やっと向き合ってる。
事実を、事実だと受け入れようとしている。
だから、俺に縋れ。
壊れないように、俺に全部よこせ。
全部全部、受け止めるからさ。
今は、俺に縋っていろ。
俺は、幸が泣き止むまで、ずっと、幸を抱き締め続けた。