三日恋〜晴と雪の恋物語〜


「メンソーレがいらっしゃいませ?」


首を傾げながら聞くと、男の子は頷いた。


その時、お父さんとお母さんも中に入ってきた。


「こんにちわ~」


「メンソーレ」


女の人はお父さんとお母さんにも同じ事を言う。


「こんにちは。予約していた千葉です」


お父さんが言うと、女の人は男の子の方を向き、何か言った。


男の子は頷く。


「僕が部屋まで案内します」


そう言うと男の子はあたし達を部屋まで案内する。


部屋に着くと、


「用事のある際は、こちらの電話をお使いください」

と言って、入り口の横にある電話を手のひらで指す。


たしかに、普通の電話が置いてある。


「僕は通訳みたいなものなので、分からないことは遠慮なくお聞きください」


機械みたいな教務用の言葉を言い終わると、一礼してから戻っていった。

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