三日恋〜晴と雪の恋物語〜
そしてにやっと笑うと、足でボールを浮かせ、正確にあたしの足下へ落とした。
「少しびっくりしただけだ」
そう言ってあたしの方へやってくる。
「晩飯の時間だ。宿に戻るぞ」
「呼びに来てくれたの?」
あたしが聞くと、
「仕事だよ」
と、面倒くさそうに答えた。
あたしはボールを宙に浮かせ、手に持った。
二人で宿への道を歩く。
「君は、何て言う名前なの?」
「青山晴斗」
「晴斗かぁ~、宜しくね!」
あたしがそう言うと、
「いきなり呼び捨てかよ」
って笑われた。
「あぁ、ごめんごめん。サッカー部は、呼び捨てじゃないと面倒くさいから、皆呼び捨てなの。それが出ちゃったかな。宜しくね。晴斗君」