三日恋〜晴と雪の恋物語〜

「起立〜」


先生の声と、ガタガタと椅子を引く音にはっとする。


「じゃあ今日は出席番号一番の青山に号令をかけてもらおうかな!」


はい?


不思議そうな顔をしていると、


「さようなら、だけでいいから。元気良くな」


と小声で言われた。


あ、帰りの挨拶な。


「さようなら」


大きい声を心がけて言った。


「さようなら〜」


皆もそう口にする。


だいたいの奴はその後近くの席の人と話していた。


けど俺は幸を…


「青山〜ちょっといいか?」
< 89 / 197 >

この作品をシェア

pagetop