カルネージ!【完】



突然下の名前で呼ばれたから、びっくりする。


さすがの私でも、そこまで聞けば彼の言う“すごいこと”がどんなものなのか大体の察しはついた。




「なんだ、残念」


「……」


「冗談だよ」




何と言ったらいいのかわからなくなり、黙ったままいれば相変わらずの笑みを浮かべたまま阿久津はまた歩きだす。


今度は後ろをついて行くのではなく、彼の横を並んで歩いた。



……阿久津が変なこと言うから、少し気まずい。




「お腹空いたなー」


「……私は全然だけどね!」


「クリスマスだし、チキンでも買ってたべたいなー」


「おい」




自由すぎか。


私に構わず辺りを見回す彼は、フライドチキンのチェーン店を見つけて、指をさす。



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