カルネージ!【完】




「……早く受け取ってよ。腕攣るじゃん。辻野、高額な賠償金支払いたいの?」


「あ、ごめん!」




慌てて紙袋を受け取ってしまったけれど、それをどうしていいのか分からずぼけっと立ち尽くす。


……ああ。もしかして、持てと? 今度は荷物持ち?




「辻野のだから、それ」




すっきりとした答えがでてひとり納得していると、私の考えを見透かしたように阿久津は言う。




「えっと、……どういう意味? 持ってろってこと? そんなに重くないから、私は別にいいけどさー」


「違うよ」


「……」


「クリスマスはするもんだと思って、プレゼント交換」


「……えっ? ……え……?」




そっと紙袋の中を覗けば、何かが綺麗にラッピングされて入っていた。


――これ、私へのプレゼント……? プレゼント……!




「うそー! 何で~? 言ってよ、私何も用意してないよ!」


「いいよ、これもらったし」




チキンの入った袋を揺らす阿久津は、顔色一つ変えずに振る舞う。


< 18 / 114 >

この作品をシェア

pagetop