カルネージ!【完】
ちょっとした衝撃で言葉を失っていれば、
「母さんとばあちゃんからだけどね」
と、これまたあっさりネタバレした。
「……なんだー、びっくりしたじゃん!」
「どーせモテないよ。だから辻野のこと誘ったのに」
やはり。
苦笑して、机の上のチョコレートから、ベッドに頬杖をついて寝転ぶ阿久津に視線を戻した。
こんな日だし、一応ちゃんとしたチョコ、用意すればよかったかも。
「……テレビでも見る?」
「うん」
彼の提案に頷けば、ひとり部屋に置くにしては少々でかいテレビが、鮮明な映像を映す。
昼間にやっている番組なんて、どれも主婦向けの情報番組やマイナーな映画の放送ばかりで、いまいちはまらない。
更にどこもバレンタインの特集ばかりが組まれており、選局した番組には高級チョコレート店のトリュフが映し出された。
テレビの中のタレントが、わざとらしい歓声を上げた。