カルネージ!【完】
「それ以上訊くのは野暮ってもんだよ、空気読めよ辻野」
「……そう、なの……?」
「……何これ」
「あ」
すっかり寂しくなったベッドの上。
端の方に、真っ白なシーツの上では嫌でも目立つ紙袋がその存在を主張していた。私が持ってきて、ついさっき隠したものだ。
最悪のタイミングで見つかってしまった。阿久津のせいで……!
「か、返して……!」
慌てて取り返そうとするものの、紙袋を持ち上げた阿久津は怪訝そうに眉根を寄せた後、思い当たったようにぱっとこっちを見る。
……最悪だ。
「なに、辻野」
ほら、こうやって勝ち誇ったように嗤う。
「バレンタイン、用意してくれてたんだ」
憎たらしい笑顔で。
「……クリスマスのお礼!」
腹をくくって、彼から顔をそらして答えた。