カルネージ!【完】
……なんか、慣れてるなー。この人。大人って感じする……!
「栄美ちゃんは、弟のどこがいいの?」
「……え?」
不意にきらきらした眼差しを向けられて首を傾げれば、
「どういうところが好き?」
好奇心いっぱいの弾んだ声に問われる。
……どういうところが好き?
「いやあの、阿久津も言ったように私たち付き合ってないですよ!?」
「まったまたー! コイツ、ちょっと分かりづらいし、たまに人のこと馬鹿にしたような態度とるけど、可愛いだろー? 優しい良い子だろー!」
「……?」
ちょっとどころか凄くだし、たまにどころか常にだ。
可愛いというよりは憎たらしいし、優しい良い子というよりは悪戯好きの子供みたい。
――とは、弟を溺愛してるっぽいお兄さんには言い出せず、渋々頷いた。
そうすれば、「やっぱり栄美ちゃんなら分かってくれると思った」なんて得意げに親指を立てたグーサインを示される。
……なんか、一緒にいると阿久津とは正反対の意味で疲れそうな人だな。