カルネージ!【完】
これのどこが優しくて可愛いんだろう。
あのお兄さん頭大丈夫かな、重度のブラコンなのかな。
まあ、バカなせいか私、小3から1度も寝込むような風邪引いたことないし大丈夫だと思うけど。
考えていれば、何度目かの阿久津の部屋に辿りつき、私が入った瞬間彼はすぐに鍵を閉めた。
……そんなに海斗さんが嫌なんだろうか。
いや、さすがに部屋までは来ないと思うんだけど?
コートとカバンを部屋の隅に置いてミニテーブルの前に座れば、阿久津は早速ベッドに倒れこんでいる。
「……もしかしなくても、大分体調悪いんじゃないの?」
「別に。熱あるだけだし」
「何度?」
「……38度7分」
「高熱じゃん!」
「……頭に響くから、声のボリュームどうにかしてくんない」
「あ、ごめん」
ていうかいよいよ私帰るべきなんじゃないの?
移される心配はしていないけど、阿久津も落ち着いて眠れないんじゃないのかな。