カルネージ!【完】
「……あ、あるんだ! やばい、小春ちゃんエロい! 大人! エロい!」
「うるっさい」
背こそ私より低いものの、顔こそ幼く見えるものの、胸こそ私並みに小ぶりなものの、彼氏がいるというだけで小春ちゃんは私よりも精神的に数倍大人だ。
昨年の夏から付き合いだしたという彼女の彼氏を脳内に想い浮かべて、生々しいそのシーンを想像してしまい言葉にできない感情が心の中で暴れだす。
エロい! 大人! アダルト!
「なに? からかうためだけにそんなの聞いたの?」
「ち、違うよ。……小春ちゃんの彼は、どんなとき、小春ちゃんにキスするのかな、と、……お、思って」
「しっ、知るわけないじゃんそんなの……っ!」
叫ぶように言って、小春ちゃんはテーブルの下で私の足を蹴った。
痛い。思いっきり蹴られた。
彼女の照れ隠しは暴力的だ。