カルネージ!【完】
「……なに?」
「あのさ」
「いや、待って!」
何を言われるのか見当もつかなくて、続く言葉を待つけれど何故か怖くなって、結局はその声を遮ってしまった。
阿久津がどんな言い訳をしたって、なんとなくだけれど、前と同じ関係に戻れなくなる気がした。
いっそ認めてくれなければよかったのに。とぼけてくれればよかったのに。
矛盾しているのは分かってるけど。
私は阿久津といるの楽しいし、阿久津が好きだし、前みたいに仲の良い友達でいたい。
そしてきっと、阿久津も、そう思っているはずだ。
「待って、何も言わないで……!」
「……は?」
「い、言わなくていい。私には分かるから」
「何でエスパー気取ってんの? 中二病?」
そうじゃない! とツッコミそうになるのをコントやってんじゃないんだからと自ら堪えて、小さく咳払いした。