そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
1人で入ってきた大谷さん。
私は小さな声で、大谷さんに向かいのソファーに座るよう促す。

・・・その後。
お互い何から話したらいいのか、分からないまま沈黙だけが続いていた。

「・・・ずっと、泣いてたのか?」
「・・・え?・・・!」

その言葉に、ハッとして、手を目に当てた。

…誰にでもわかってしまう程、目は真っ赤に腫れていた。
・・私はそれを隠すように俯く。

「…澤田に怒られたよ」
「…澤田さん・・に?」


その言葉に、大谷さんは小さく頷いた。

「…全部、俺の勘違いだったんだよな」
「・・・」

「気持ちばっかり焦って、勝手に勘違いして、・・・気が付けば、矢沢を傷つけてた」
「…私の話し・・・聞いてくれなかった」

「あぁ・・・それも俺の器が小さいから・・・
矢沢を傷つけた事、本当に悪いと思ってる…ゴメン」

「本当に…悪いと思ってますか?」
「勿論だよ・・・全面的に俺が悪いと思ってる。…矢沢は事情を説明しようとしてくれてたのに、聞こうともしなかった」

「私の事…どう思ってますか?」
「…好きだよ…今までも、これからもずっと・・・」

「こんな事がまた起きたらどうしますか?」
「…その時は、ちゃんと、矢沢の話しを聞く」

「私の事、もっと、信用してください」
「…信用する・・・」

「私に愛してるって言ってください…そしたら、許してあげます」

…そう言って、ようやく顔を上げた。


「…愛してるよ・・・」
その言葉を聞き、私は大谷さんの胸に飛び込んだ。
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