そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
すべての準備が終わる頃、彬が会議室に入ってきた。
「…準備、助かったありがと」

「…いえ、これくら…」

そこまで言って、言葉に詰まる。
だって、さっきとは、別人のようだったから。

「…どうした?」

「…かっこいい、です」

「…はあ?」

一瞬目を見開いた彬だったが、すぐに笑い出した。

私は、自分が言った言葉に、恥ずかしさのあまり、顔が真っ赤になった。

彬は、そんな私の頭をポンと叩くと、
「今日のプレゼン、見学してろ。いつかは矢沢がオレの場所に立って、やらなきゃいけないんだから」

「…はい!…勉強させてもらいます」

私の勢いに、プッとまた笑って、彬は書類の準備や、プロジェクターの準備にとりかかった。
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