そっと、もっと、ぎゅっと～私に限り無い愛を～

「企画部は、女子社員たちの憧れの部署なんですよ、きっと」

「…矢沢さん？」

私の言葉に、誠は首を傾げる。


「だって、こんなに素敵な男性社員がいるんですよ？

自分だってその中で仕事してみたいじゃないですか。

…確かに些細な嫌がらせはありますけど、私はそんなこと気にしません。

半人前の私をいい戦力だって言ってくれる澤田さんも、

私を可愛がってくれる杉下さんも、私が困ってる時手を差し伸べてくれる部長も、

こんなに傍にいてくれますから、私は何があっても、ここで仕事を続けたいです」



「…大谷は？」

彬が呟いた。

私は苦笑いした。

・・・修だって、毒舌だけど、ちゃんと助けてくれる。

でもそれを言ったら、そんなことした憶えないなんて言われそうだから。


「大谷さんも、いい先輩です」

「・・・・うそつけ」

・・・ほらね。


「はぁ～よかった」

「部長」


「最近の女の子は、気の弱い子ばかりでしたから・・・。

矢沢さんを採用してくれた人事の方のお礼を言いたいくらいですよ」