そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「・・・ぁ」

「…起きたか?」

矢沢を見つめていると、ゆっくりと目を開けた矢沢が、

オレに気づき、少し頬を染めてこちらを見た。


・・・その顔になぜか、ドキッとする自分がいた。


「ぉはよぅござぃまㇲ」

そう言って少し微笑んだ矢沢に、更に胸が高鳴ってしまった。

どうかしてしまったんだろうか?おれは・・・。


「今日、会社に行けそうか?

行きたくなかったら…事情を話して、休むか?」


オレの言葉に、矢沢はガバッと起き上がって、

首をブンブンと振った。


「休みません、この事は部長や、他の先輩たちには内緒にしてください。

余計な心配されたくないし・・・。

・・・それに・・・」


「・・・ん?」


「ここに独りでいるのは・・・怖い、です。

…昨晩も、私にぶつかった犯人の目が頭から離れなくて、

眠れなくて、・・・」

そう言いながら、目はどんどん潤んでいく矢沢を見て、

オレは思わず、矢沢を抱きしめていた。
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