そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「とりあえず、この書類をまとめてほしいんだけど、

パソコンは使えるよね?」


「はい、ワードも、エクセルもちゃんと使えます」

「そっかよかった。それじゃあお願いします。

いきなり企画の仕事は難しいから、そっちは徐々に覚えていってね」

そう言うと、航希は自分のデスクに帰るなり仕事を始めた。



「…そんな簡単な仕事やらすのか」

「・・・え?」

隣で仕事中の彬が、パソコンを打ちながら言った。

・・・そんなこと言われても、初めての仕事だし、雑用から始めるのは、

新人として当たり前なんじゃ?


「これ、手伝え」

「は、、え?!」

パソコンが立ち上がったと同時に、私は彬に手を掴まれると、

どこかに連れて行かれる。


「ㇲ、杉下さん」

航希の名前を呼ぶが、電話中で、気づかない。

オロオロする私に構いもせず、彬は引っ張っていってしまった。




…埃っぽい。

第一印象はそれだった。
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