そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
してない!…とは、言えないのかな。

実際ドキドキしたし…。

悪い気はしないよね、誰でも。
でも…。

「大谷さん、なんで怒ってるんですか?」

「…」

「私、大谷さんに何かしましたか?」

修を怒らせるようなことは何も。

「…気になるんだよ、腹立つくらい」

「…何が?」

「…お前がまた、泣いてないか、辛い思いしてないか」

「大谷さん?」

「…他の男になんか、渡せない。

…俺の傍にいろ…どんな事からも、守ってやるから」

好きだから、触れられたく無い。

好きだから、傍にいたい。

好きだから、守りたい…なんて、

修の口から聞けたら、と思う藍子。

自分の口から言えたら、と思う修。



…たった数日一緒に仕事をしただけ、たった一日、共に過ごしただけの関係だから。

そんな修の気持ちなんて、わかるはずがなかった。
< 36 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop