そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「あの、澤田さん」

「これと、これと、これと・・・・」

「・・・・・ぉも」

私の両手に次々に資料を乗せていく彬。

どんどん重くなるのを必死に堪えながら資料を持っていると。

…やっと取り終えたのか、半分程自分の方に取り、歩き出す。



「澤田さん」

もう一度名前を呼ぶも。


「それ、向こうに帰ったら、プリント一枚渡すから、

その書類の中から探してまとめて、今日中に」

ぜんぜん違う言葉が返ってきた。


「あの、杉下さんから仕事頼まれてるんですけど」

そう言いながら困惑している私なのに。


「あ~、アイツのは本当の雑用だから、明日でも大丈夫だ。

急ぎの仕事じゃない。そっちのまとめの方が先。

今度の企画書に、大事な事ばかりだから」


「でも・・・」


「新人は先輩の言う事だけ聞いてればいい」

「・・・はぃ」

なんだか彬とは仕事はやりずらそうだ。

そう思うとため息しか出なかった。
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