そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「アイツって?」

「…家に入った・・・空き巣」

「?!!」

修は私の言葉に驚いて、辺りを見回す。

・・・しかし、どこにも人影すらない。


「矢沢、なんか、勘違いしたんじゃないか?」

私を抱きしめたまま、優しく背中を擦る修。


「…向こうの塀の方から、こっちを見てた・・・」

確かにあの目だった。

姿かたちは覚えてない。・・・でも、あの目だけは忘れない。


「…分かった、大丈夫だ。オレがついてるから。

とにかく、帰ろう?な?こんな所にいても仕方ないだろ?」

優しくそう言う修に、私は静かに頷いて見せた。


…家に帰るまで、どこからか見れているような気がして、

修の傍を、片時も離れられなかった。


家に帰っても、怖くてお風呂にも入れない。

見かねた修が、扉の向こうにいるから、時々話しかけるから入ってこい。

そう言ってくれて、恐る恐るお風呂に入った。

修がお風呂に入っている間は、リビングのソファーの上で、

毛布にくるまって待っていた。


…どんだけ怖がりだよ、と、突っ込まれても仕方ないくらいだった。

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