そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「オレ?・・・そこの服屋に、新調してもらった

スーツを取りに来た帰り・・・あ」


「・・・?」


「俺の知り合いに不動産会社の奴がいるんだけど、

行ってみるか?・・・いい物件あるかもしれないぞ」


「そうなんですか?・・・行ってみたいです。

あ、でも、澤田さん、それ持って帰らなきゃですよね?」


「エ?あ~、車そこに止めてるし、置いてけばいいよ。

不動産会社も、ここから近いからさ」

そう言うなり、私を連れて、彬はとある不動産会社に連れて行ってくれた。

・・・こんな路地裏にも、不動産会社があったんだ。

…しかも結構大きい。


「いらっしゃいませ…あれ、澤田、どうした?」

受け付けから声をかけてきたのは男性社員。

どうやら、
彬の知り合いのようだ。


「久しぶり、お前がいてよかったよ。今日日曜だし、

休みかと思ってた」

彬の言葉に苦笑いする相手。

「本当は休みだったんだよ。でも急病人が出たばっかりに

休日出勤する羽目になったんだ」

そう言って溜息をついている。

2人は本当に仲がよさそうだ。
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