そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「…大谷さん?」

ボンヤリする視界の中、修の名を呼ぶ。

修は、私の手を取るなり、謝ってきた。


「…ゴメンな、もっと早く下に下りればよかった」

「…一体何が?」

自分の身に何が来たのか、理解できない。

でも、後頭部に痛みがあるのは分かった。


「アイツが、君に襲いかかったんだ」

「…アイツ?」

「矢沢の家に入った空き巣だよ」

「・・・・」


その言葉を聞きゾッとした。

修がこちらに来ると同時に、犯人も私を後ろから襲いかかったそう。

私は後頭部を何かで殴られ、倒れ込み、修はその男を取り押さえた。


近くを通りかかった通行人によって、救急車と警察が呼ばれ、

私は病院、修は一旦警察署に。


私のケガは幸い、2針縫うだけで済んだ。

病室で、眠っている間に、事情聴取を済ませた修がやってきた。


「あれだけお前の事守るって言ってたのに、

何もしてやれなかった…ゴメン」


「・・・何言ってるんですか?大谷さんが居なかったら、

私、殺されてたかも知れないんですよ?

こうやって、私がここにいられるのは、大谷さんのおかげでしょう?」
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