そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
…一週間の休みの間、修は凄く優しかった。

炊事、家事はすべてしてくれて・・・。

(流石に洗濯はさせられなかったけど)

仕事が終われなすぐに帰宅する。

出社も、遅刻ギリギリまでしないで。


心配しすぎだと言うと、

オレがいない間にまた何かあったらたまらないと言われたっけ。


思い返していると、つい、笑いが込み上げた。


「・・・何思い出し笑いしてんだよ、気持ち悪い」

「…ぁ、澤田さん、おはようございます」

2番目に出社したのは彬だった。


「お前、部長から聞いたぞ、何でそんな大事な事言わないんだよ?

しかも、襲われたのってオレが離れた後だって言うから・・・

そんな事なら、部屋の中まで送ってやったらよかったと思った」


…部長、意外とお喋り。


「・・そんな、私の不注意ですから・・・」


「だから、あれか?引っ越し先探してたのって」

「え、あ、はい‥‥ぁ」

引っ越し先の事をまだ話していないのに、

どうしてこうもいいタイミングで修がオフィスに入ってくるのか。



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