そっと、もっと、ぎゅっと～私に限り無い愛を～

「そんなに出ていきたければ出ていけばいい」

「出ていきたいわけじゃない！」

修の言葉に、思わず大声でそう言ってしまった。

修はもちろん面食らった顔をしている。


「出ていきたくないけど・・・

いつまでも、大谷さんに甘えてるわけにはいかないじゃないですか」


「・・・」


「私は、大谷さんの後輩だから、仕方なく、

ここに置いててくれたんですよね。

後輩じゃなかったら、こんなことしてくれませんよね。

それに、大谷さんを危ない目に遭わせたことも、申し訳なくて・・・

いつまでもここにいたら、もっと迷惑かけてしまいそうで。

私がここにいたら、彼女だってできないじゃないですか？」


精一杯笑ってるのに、涙が止まらなくなってしまった。


「・・・ほんと、お前ってバカ」

そう言って困ったように笑った修。

・・・さっきまでの怒った顔はもうそこにはなかった。



「・・・何でバカなんです・・・」

言い終わらないうちに修は私を抱き寄せていた。

…泣いてるから抱きしめてくれてるの？