そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「よろしくお願いします・・・

所でこの仕事はどちらを優先すればいいのでしょうか?

今日来たばかりなので、優先順位を決めかねます」


オズオズトそう言うと。


「これは澤田君の仕事を優先してください。

それが終わり次第、…きっと相当時間がかかるので、

明日にでも、航希の仕事をしたらいいですよ。

澤田君のは、明日の企画会議でいる大事な物ですから」


丁寧で優しい言葉使いに私は安心して頷いた。


・・・航希と彬は犬猿の仲のようだけど、

部長がしっかりしているので、きっと大丈夫だろう。



…やっと皆はそれぞれ自分の持ち場で仕事を開始した。


「・・・ぁ」

私の向かい側に座っているのは、まだ挨拶すらしていない先輩だ。

・・・名前は、なんて言うんだろう。


「矢沢藍子と言います、宜しくお願いします」

「・・・・とろそうだな」

「・・・・」

痛いところを突かれ、何も言い返せない私をよそに、

名もなのならないその先輩は仕事を始めてしまった。


…やりにくい人だ。
< 6 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop