そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
…だから修は、気が気じゃなかった。

どんな失敗もフォローは出来るが、第2企画部部長が、

私を名指ししたことが気に入らなかった。


「…覚悟して仕事に取り組め」

「・・・はい」


そんな重い事情を何も知らない私は、企画をやらせてもらえる嬉しさで、

一杯だった。


「この後2時から、第2企画部の担当者と顔わせ、打ち合わせをするからな」

「はい、私は何をすればいいですか?」


「とりあえず企画書を10部用意、プロジェクターも準備を頼む」

「はい、わかりました」


…私が担当だと言っても、ほとんどが、修が色々教えてくれて、

どちらが担当か、分からないくらいだった。


「初めまして、第2企画部リーダーの大久保です」

大久保さんの後ろには、5人ほどの社員が。


「うちは大所帯なので、こちらがメインで動かせていただきます。

大事な所は、そちらにいくつかお願いすると思いますが」

大久保さんが話しをしている目線の先には、修が映っている。

…担当は、一応私なんだけどな。


「大久保さん、私は、あくまで補助のみです。

今回の担当は、矢沢ですので、話しをするなら矢沢にお願いします」

少し棘のある言い方をした修。
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