そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
だが、大久保さんは、笑顔で言った。

「これは失礼、あんまり若い女の子なので、

そちらが補助の方だと思いました」


「・・・そちらの部長さんが、矢沢を指名したんです。

それ相応の対応をお願いします」

そう言って、修は頭を下げた。

…きっと腹が立って仕方がないであろうに、

私に不利にならないように・・・・。


ある程度の打ち合わせを終わらせると、

第2企画部の人は誰一人、片付けを手伝う事もなく、

サッサと帰ってしまった。


私は仕方ない、そう思う事にして、片付けを始める。


「…担当、変わりたいなら、変わるぞ」

片付けをする私に、修がそんな事を言った。


「・・・何言ってるんですか?部長だって、私にできると思ったから、

任せてくれたんです…だから、一生懸命頑張ります」

そう言って微笑んだ。


「…泣きそうな顔してるくせに、無理すんな」

…私の考えてる事は、修にはすべて分かってしまうようだ。


「そんなことありませんよ」

私はそう言ってガッツポーズを作ってみせる。
< 64 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop