そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「じゃ、ちょっと後、頼むわ」

「エ??あの、書類は?」

…大事なプレゼンの書類は?


「そこに出来てる・・・」

彬が指差したところには、すでに40部刷られた書類の束が。

…どうやら徹夜で仕上げたようだ。


「澤田さん、会議は…確か9時からです」

「わかった。それまでに出社するから、部長に言っといて」

「・・・はい」

…この会社は8時から始まるはずだが、今から帰ってたら、遅刻、

いいのかしら?

困惑の表情で彬を見つめていると、航希が入ってきた。


「おはよ、…澤田先輩徹夜?」

そう言って苦笑いする航希。

私も苦笑いして頷いた。


「八時半にここに連絡してあげて、寝てたらヤバいから」

そう言って私に携帯番号の書かれた紙を渡す。

・・・航希がすればいいのに。

「澤田先輩の寝起き、最悪だからオレ絶対パス」

そう言うと、デスクで早速仕事を始めた。

・・・・聞きたくなかったその情報。
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