SELF ~本当の自分~
「れのん……」
そこには、さっきと変わらず黙々と作品を片付ける先生がいた。
先生は少しはにかみながら、私の名前を呼ぶ。
……先生も、ちょっとは意識してくれたの?
私は……ずっと意識させられてばっかだったんだからね。
無邪気な笑顔も、
絵だって、最初は興味なかったのに、賞をとって先生にほめられたくて頑張ったんだよ。
柚と先生がケンカしてる時は、ヤキモチやいちゃったっけ。
……でも、そんな思い出は、私だけの思い出。
私しか知らない気持ち。
能裏に一瞬、
『言ってくれなきゃ、わかんなかったよ……』
って柚の言葉が聞こえた。
ケンカした日の翌日、二人で登校した時だ。
やっぱりちゃんと伝えなきゃ……!
「私……先生のことが好きです……」