SELF ~本当の自分~
「……昨日のこと、なんだけど」
おそるおそる話題をだしはじめる、れのん。
「ちょっとイライラしてて。きっと、みんなもそうだと思う。そのイライラを柚にぶつけちゃって……本当にごめんね」
「うん……」
両手をこすりあわせて、私の顔をのぞきこんできた。
どうしよう……。
何て言えばいいんだろう。
誰も傷つけないで、自分の気持ちを相手に伝える会話術、誰か教えて!
そんなことを考えていると、れのんの表情がふっと悲しそうな顔に一変した。
「責めないんだね……。どうしてあんなこと言ったの?とか、私たちのこと、ムカつく!って言わないんだ……」