SELF ~本当の自分~
親
柚が帰った後で、3人に流れる重苦しい空気はだんだん冷めていって、ようやくみんな冷静さを戻し始めた。
「……柚にひどいこと言っちゃった。
ただの嫉妬なのに……」
フウカが言った。
「北原先生、真面目にしてない柚ばっかほめてるような気がして……私、最低だよね」
フウカの言葉に、私もれのんも口を開けなかった。
だって……私だって、イライラを柚にぶつけちゃったんだもん。
最低なのは、私だ。
肝心な時、いつも何も言えない。
フウカみたいに、素直になれないし。
れのんみたいに、頭の回転速くないから、言葉で言いくるめるなんて、できないし。
柚みたいに、はっきりいやだ!って言えない。