SELF ~本当の自分~
「だね。れのんの言うとおり」
れのんの問いに一番に答えたのは柚で。
「私さ、みんなに置いてきぼりされてるのかと劣等感もってた」
冷たい空気がはりつめる。緊張。
「なっちゃんみたいに才能ないし、れのんみたいに頭良くないし、フウカみたいに努力家じゃないし。だから……逃げてたのかな」
じぃんと胸が熱くなる。
柚は、私のこと努力家だって思ってたの?
私……柚より頭悪いから、どこかで見下してるんじゃないかって思ってた。
ごめんね。
「私は柚がうらやましかったよ。形にとらわれてなくて、自由で。勉強しなくても成績良いじゃない」