かたつむり
口笛とバス停2
「下手な口笛だね」
私は口笛を止めた。
バス停のベンチには一人の男が座っていた
【男】というより【少年】って言ったほうがなりにあってる
いきなりそんなことを言われたから
私は戸惑った、ただいま絶賛絶句中だ。
「でも選曲はいいと思うよ、その曲、
僕も好き」
「あ、ありがとう」
(この人初めての人にだいぶ失礼だな)
最近上手くなった口笛を下手と言われたの
に対して
選曲はいいと褒められて微妙な気持ち
「散歩?」
私は1回うなずいた
「いいね、夕日きれいだし
今日は...ブラッドオレンジだ」
(同じ事考えてる)
私は少し笑った、笑ったといっても
声は出さずに口角をあげるだけ。
「座る?」
少年はベンチの右に寄って
左手であいてるところをポンポンと
しながら言った。
その時の声と、表情が優しく、甘くて
思わず私は2回うなずいた。