偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
「「ありがとうございます」」

二人は丁寧に礼を言うと雑貨店に腕を組んで入って行った。


人の役に立つコトは良いコト…私も晴れやかな気分になって元の場所に戻ろうと踵を返したが、稜真さんの後姿を逆方向の場所に見た。

私は彼の後姿を追う。

「稜真さん!!私を置いて何処に行くんですか?」

左腕をガシッと掴んだ。

「!?」

鳩が豆鉄砲を食らったような表情で私を見つめ、問いかけた。

「君、誰?」
同じアロハシャツを着ているけど顔は全くの別人。

「あ…間違えました。すいません!!」

私は飛んだ人違いをしてしまった。


私は慌てながらも何度も頭を下げて、本物の稜真さんを探す。



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