偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
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駐車場から続く芝生の丘を越えると眼窩に広がるのは夕暮れ時の砂浜と海。

「カイルアビーチはワイキキでは味わえない。開放感あるんだよ」

稜真さんはそう説明するが、私はワイキキの海岸を知らない。

「私はワイキキのビーチを知りません」

「そうか・・・じゃ明日二人で行く?もちろん、水着姿になって貰うよ」

「それはちょっと・・・」

「お前の水着姿、悪くなかったぞ」

「そう言われても…」

「まぁ話はこれぐらいにして急ごう」

稜真さんは焦った口調で私の手を引いてパウダースノーの白い砂浜を歩き、波打ち際へと歩いて行く。


穏やかな海原が夕陽に反射してキラキラと輝く。


「もうすぐ…陽が沈みますね」

「あア~グリーンフラッシュ見れたらラッキーだな」

「グリーンフラッシュ??」





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